参院選を前に早くも自民圧勝の選挙予想が打たれているからでしょうか、スタジオジブリが発行するという『熱風』という小冊子において「憲法特集」が組まれているそうです。
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◆「慰安婦問題で日本は謝罪・賠償すべき」 宮崎駿監督のインタビュー記事が物議
(2013.7.19)
新作アニメ映画「風立ちぬ」公開を控えた宮崎駿監督(72)が、「慰安婦問題で日本は謝罪して賠償すべきだ」などとインタビュー記事で発言し、物議を醸している。
この記事は、事務所のスタジオジブリが2013年7月10日から全国の書店で配布した無料の小冊子「熱風」7月号に載せられている。
「領土問題も折半か共同管理を提案したらいい」
冊子がほしいと要望が多いため、ジブリが18日にホームページ上でPDFにして緊急配信したところ、ネット上で、大きな話題になった。7月号は、「憲法改正」特集を組んでおり、宮崎駿監督は「憲法を変えるなどもってのほか」と題した記事で談話を載せている。
そこで、宮崎監督は、日本は戦争中に近隣諸国に酷いことをしており、戦争放棄をうたった憲法第9条などを変えることには反対だと訴えた。そして、「選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほか」と切り捨てた。
さらに、宮崎監督は、韓国や中国を想定しているらしく、慰安婦や領土についても、踏み込んだ発言をした。
「慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは『両方で管理しましょう』という提案をする。この問題はどんなに揉めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずがありません」
また、宮崎監督は、「こんな原発だらけの国で戦争なんかできっこない」として、日本は、衣食住などを自ら賄うよう産業構造を変えていくことの方が大事だと主張した。そうすると、人口は3分の1ぐらいが適正で、アニメ産業も今後は成り立たなくなると自虐的な予測をしている。
(中略)
ただ、今回なぜ「憲法改正」特集にしたのかについては、東京新聞の2013年7月19日付記事にあった通りだとした。記事によると、スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さん(64)が、21日投開票の参院選を前に旗色を鮮明にしようと発案した。実際、鈴木さんも、「9条 世界に伝えよう」という談話を寄せている。記事では、ジブリ出版部が「参院選の投票日前に読んでほしい」と呼びかけていた。
(以下略)
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さて、話題のスタジオジブリの特集『憲法改正』私も早速PDFで読んでみました。
この主張はヤバイです!
で、主張もヤバイんですが、主張以上に文章(談話だそうですが)はもっとヤバイ!とうとうボケたか?レベルです。「改憲反対!」を言いたいが為の説明、‥要するに改憲反対の根拠が支離滅裂なのです。
▼一部、抜粋しました。読んでみてください。
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特集 「憲法改正」
憲法を変えるなどもってのほか
僕は1941年生まれですが、日本国憲法ができたときの記憶はないですね。(*日本国憲法公布は1946年)。それよりも、子供の頃は「本当に愚かな戦争をした」という実感がありました。
(中略)
馬鹿なことをやった国に生まれてしまったと思って、本当に日本が嫌いになりました。
(中略)
これだけ嘘をついてきたんだから、つき続けたほうがいい
憲法を変えることについては、反対に決まっています。選挙をやれば得票率も投票率も低い、そういう政府がどさくさに紛れて、思いつきのような方法で憲法を変えようなんて、もってのほかです。本当にそう思います。
法的には96条の条項を変えて、その後にどうこうするというのでも成り立つかもしれないけれども、それは詐欺です。やってはいけないことです。
(中略)
政府のトップや政党のトップたちの歴史感覚のなさや定見のなさには、呆れるばかりです。本当に勉強しないで、ちょこちょこっと考えて思いついたことや、耳に心地よいことしか言わない奴の話だけを聞いて方針を決めているんですから。
それで国際的な舞台に出してみたら、総スカンを食って慌てて「村山談話を基本的には尊重する」みたいなことを言う、まったく。「基本的に」って何でしょうか。「おまえはそれを全否定してたんじゃないのか?」と思います。きっとアベノミクスも早晩ダメになりますから。
もちろん、憲法9条と照らし合わせると、自衛隊はいかにもおかしい。おかしいけれど、そのほうがいい。国防軍にしないほうがいい。職業軍人なんて役人の大軍で本当にくだらなくなるんだから。今、自衛隊があちこちの災害に出動しているのを見ると、やっぱりこれはいいものだと思います。
(中略)
もし本当に戦火が起こるようなことがあったら、ちゃんとその時に考えて、憲法条項を変えるか変えないかはわからないけれど、とにかく自衛のために活動しようということにすればいいんです。
立ち上がりは絶対遅れるけれど、自分からは手を出さない、過剰に守らない。そうしないと、本当にこの国の人たちは国際政治に慣れてないからすぐ手玉に取られてしまいます。もし戦争になるとしても、そのほうがまだましだと考えます。
(中略)
とにかく、今までこれだけ嘘ついてきたんだから、つき続けたほうがいいと思ってます。整合性を求める人たちはそうすることで「戦前の日本は悪くなかった」と言いたいのかもしれないけれど、悪かったんですよ。それは認めなきゃダメです。慰安婦の問題も、それぞれの民族の誇りの問題だから、きちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです。領土問題は、半分に分けるか、あるいは「両方で管理しましょう」という提案をする。この問題はどんなに揉めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずがありません。
(中略)
「自分はちゃんとしているけれど、他の人はちゃんとしてない」という発想は捨てろと。自分がちゃんとしているなら、そのくらいはみんなちゃんとしているんだと思ったほうがいい。
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宮崎監督の主張は以下です。
「馬鹿なことをやった国に生まれてしまったと思って、本当に日本が嫌いになりました」
「法的には96条の条項を変えて、その後にどうこうするというのでも成り立つかもしれないけれども、それは詐欺です」
「政府のトップや政党のトップたちの歴史感覚のなさや定見のなさには、呆れるばかりです」
「きっとアベノミクスも早晩ダメになりますから」
「戦前の日本は悪くなかったと言いたいのかもしれないけれど、悪かったんですよ」
「慰安婦の問題もきちんと謝罪してちゃんと賠償すべきです」
「領土問題は、半分に分けるか両方で管理しましょうという提案をする」
ナニを言っているんだ?言ってることが無茶苦茶です。
どこが無茶苦茶かと言いますと法的に改憲は「憲法96条を変えてから成り立つ」と書きながら「詐欺です」と説明はこれだけ。
なぜ「詐欺なのか?」その理由を書け!だいたい「合憲」なら詐欺じゃないでしょ?
ついでに改憲反対の理由が全く感情論だけで具体的な根拠がない。改憲反対の特別企画なんですから「なぜ改憲はダメなのか?」その具体的根拠を書け!と思います。
因みに、1941年生まれという宮崎監督の文章を読んでみますと感受性の豊かな思春期にGHQ占領下での日本悪玉論を刷り込まれて、そのまま年をとったのではないかと思いました。だってさ、憲法改正と「日本は悪い国だった」とか「慰安婦問題」とか「領土問題は半分に分けるか両方で管理しましょう」とか関係ないじゃん。全く関係ないのに、それを不思議に思わず精髄反射のように出てくるという事は、自虐史観による反日マニュアルに沿っているんだと思います。
尚、「自衛隊はいいけれど国防軍はダメ」という、その根拠(?)となる主張がサッパリ理解できんです。
▼これです。
>本当にこの国の人たちは国際政治に慣れてないからすぐ手玉に取られてしまいます。もし戦争になるとしても、そのほうがまだましだと考えます。
何回読んでも意味が分からん。私なりの解釈ですと‥
「自衛隊を国防軍にした所で国際政治に慣れていないんだから手玉に取られるに決まってる」
↓
「国防軍にするなんて無駄」
↓
「もし戦争になったら手玉にとられる方がマシ」
????
暑さで、とうとう私の頭もオカシクなったのでしょうか?
「どうせ手玉に取られるんだからやめろ!」と言いながら「手玉に取られる方がマシ!」?‥う〜ん、今、10回近く読み返しているんですが理解できない。普通なら「手玉にとられないように、こーしろ!」と文章的につながらないと変なはずなのに、何で「手玉に取られる方がマシ!」となるんだろう?
どなたかこのロジックを教えて下さい。
あと、この人の言ってる慰安婦や領土問題は勉強不足だと思いますが、それよりも文章に矛盾が多過ぎです。
>「自分はちゃんとしているけれど、他の人はちゃんとしてない」という発想は捨てろと。自分がちゃんとしているなら、そのくらいはみんなちゃんとしているんだと思ったほうがいい。
そっくりそのままお返し致します。
「反戦!平和!」「改憲反対!」「9条最高!」の結論が前提となると、こんな変な論法となるという見本ですね。ハッキリ言って、こんな矛盾だらけの事を言う人とは思わなかった。環境問題や平和主義的な左翼系なのは知っていましたが、まさか、ここまで‥とは。矛盾した政治的イデオロギー、つまり「日本人にありながら日本が嫌い」という自己矛盾が根底にあるのだと思いますが。「平和のためなら暴力も辞さない!」みたいな。
尚、▼下記の宮崎監督の主張の一文
>領土問題は、半分に分けるか、あるいは「両方で管理しましょう」という提案をする。この問題はどんなに揉めても、国際司法裁判所に提訴しても収まるはずがありません。
竹島の事だと思いますが、日本に主権がないGHQの占領下で不法に侵害された領土を何だと思っているんでしょうね?ジブリのキャラや著作で他人が勝手に使って問題化しても裁判に訴えるなよ!と思います。
(以下、私の超余談です)
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一応、アニメ・漫画好きとしてフォローも。
私もジブリ作品観てます。ナウシカは初めて触れた世界観と宗教観に感動しました。トトロは真っ黒クロすけが可愛かった。千と千尋は湯屋の設定と背景が良かった。顔なしとひよこのオバケ?も良かった。ポニョは色彩が良かった。ハウルは‥何だアレ?
▲「千と千尋」のひよこのオバケ
私は細かい背景画とかが好きなんです。古城とか古都とか石畳の街並みとか。ハリポタも好きな理由が細かい美術設定でして。‥要するに建造物を取りこんだ風景画が好きなんです。
ネットを見ると、この宮崎監督の改憲反対論にジブリアニメ全体を否定する人や、もっと酷い人は「アニメ、ゲーム、漫画好きのオタクはきもい」などの極論があったりして驚きました。
キャラやストーリーは監督の思想や価値観が出て好みが分かれるのは当たり前ですが、監督が反日狂だからといって作品全てを否定するのは違うと思う。キャラもストーリーもカスでも美術設定の素晴らしいものは素晴らしいと思う。
▲私はこういう背景画が好きなんです @「千と千尋の神隠し」
無防備で素直な子供にとってアニメも漫画も一定の価値観を植えつける洗脳手法として怖いものがあると思いますし、反日思想のアニメ監督に嫌悪感を持つのも普通だと思います。
でも、監督はロリコンの反日野郎でもアニメーションの美術画は素晴らしいと思う。アニメは膨大な人が関わってますから監督の思想と美術的なものは別問題として考えたほうが良いと思います。
何だか、まとまりのない話になってしまいスミマセン‥。「宮崎監督の憲法論は矛盾だらけだけど宮崎アニメを全部を否定するのは変なんじゃないか?」と、そんな事を言いたかったわけです。
まぁ、ジブリの小冊子・特集「憲法改正」には、その論に驚きましたが。その監督の政治的思想とアニメのクオリティは別次元の話だと思います。
個々の宮崎作品につきましては機会がありましたら、その時に。今回の本題であります宮崎監督の「憲法論」に関しましては‥、とにかく論点のはぐらかしと詭弁の決め付けに感じました。
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